この動画は、ハラスメントや労働トラブルの予防、対応に必要な知識を紹介しています。
企業が抱えるリスクを軽減させるためには、経営者や管理職、人事・総務担当者に欠かせない知識があります。
またその知識は企業を守るだけでなく、労働者としての権利を守ることができるものでもあるので動画の紹介を行っています。
今回は、お昼休憩の電話は業務内?それとも業務外なのかという話です。
動画発信者 一般社団法人クレア人財育英協会 雇用クリーンチャンネル
講師 特定社会保険労務士 小野純先生
※この動画は一般社団法人クレア人財育英協会のパートナー企業として当社ホームページで紹介しています。
動画の内容
この動画の結論は、お昼休憩中に電話対応をすることは、たとえ電話が鳴らなかったとしても、電話番をしている時間全体が「労働時間」にあたるというものです。
結論は「業務内(労働時間)」と見なされます
法律上の「休憩時間」の定義が鍵
この問題を理解する上で最も重要なのは、労働基準法における「休憩時間」の定義です。
- 休憩時間とは、「労働者が権利として労働から完全に解放されることを保障されている時間」でなければなりません。
つまり、休憩中であるにもかかわらず「電話が鳴ったら出なければならない」という義務がある状態は、会社の指揮命令下に置かれていることを意味します。
これは「手待ち時間(てまちじかん)」と呼ばれ、実際に作業をしていなくても労働時間と見なされます。
具体的なポイント
- 電話番を命じられている: 上司から「休憩中も電話番をお願い」と明確に指示されている場合、その時間は100%労働時間です。
- 誰も電話に出ない状況: 明確な指示はなくても、他の従業員が誰も電話に出ず、自分が対応せざるを得ない状況や雰囲気がある場合も、事実上の指揮命令下にあると判断され、労働時間と見なされる可能性が非常に高いです。
- もし電話に出てしまったら? 会社が電話番を命じている場合、その休憩時間は「休憩」とは認められません。
そのため、会社は別途、労働から完全に解放された休憩時間を従業員に与える義務があります。
もし与えなければ、それは労働基準法違反(休憩時間を与えていない)となります。また、電話番をしていた時間は労働時間としてカウントされるため、その日の実働時間が8時間を超えれば、会社は割増賃金(残業代)を支払う義務も発生します。
まとめ
お昼休憩は、従業員が自由に利用できる保障された時間です。
その時間に電話対応を義務付けることは、その時間を労働時間に変えてしまう行為です。
もし会社から休憩中の電話対応を命じられている場合、それは違法の可能性があり、その分の賃金と、本来与えられるべき本当の休憩時間を請求する権利があります。
法的な「義務」を理解し、クリーンな職場を守るために
お昼休憩の電話番が、たとえ電話が鳴らなくても「労働時間(手待ち時間)」と見なされるという事実は、多くの職場で見過ごされがちな、重大なコンプライアンス違反の温床です。
労働基準法は、休憩時間を「労働から完全に解放されている時間」と厳格に定義しています。従業員の善意や「暗黙のルール」であっても、電話対応の可能性がある状態は会社の指揮命令下にあると判断されます。これを放置することは、企業が「法律で定められた休憩を与えていない」という違反と、「労働時間に対する賃金(場合によっては割増賃金)を支払わない」という未払い賃金のリスクを同時に抱えることを意味します。
こうした「知らなかった」では済まされない労務トラブルを未然に防ぎ、従業員が心身ともにリフレッシュできる健全な職場環境を整備することは、企業の安全配慮義務の観点からも不可欠です。
「雇用クリーンプランナー」資格は、まさにこうした労働時間と休憩時間の法的な定義、適正な勤怠管理の実務、そして「手待ち時間」のようなグレーゾーンに見える問題への法的対処法までを体系的に学ぶことができます。
コンプライアンスを遵守し、従業員との信頼関係を築くために、この機会に専門知識の習得を検討してみてはいかがでしょうか。
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